「炎の画家」と讃えられる フィンセント・ファン・ゴッホ は、壮絶な人生の末 37歳で自らの命を絶った。
これは ゴッホが精神病院に入院した後の葛藤を描いた、VR RPGゲームである。
公開日 : 2022年 8月 27日
目次
1. 開発背景
2. 受賞
3. 作品概要
・プレゼン・プレイ動画
・あらすじ
4. 実装のポイント
・3種類のロコモーションシステム
ー 腕振り歩行システムとテレポート移動システム
ー 足踏み歩行システム
・没入感を重視したインタラクションデザイン
・美しいレベルデザインと立体音響
5. まとめ
1. 開発背景
VRアカデミー第11期 ベーシックコースの修了作品として、6週間で個人制作しました。完成当時のUnity・プログラミング学習歴は5ヶ月でした。
2. 受賞
第11回VRフェスにて、最優秀賞である「VRアカデミー賞・審査員特別賞」を受賞しました。(全33作品中)
初心者向けであるベーシックコース受講生の作品から最優秀賞が選ばれたのは、史上初でした。
3. 作品概要
■ プレゼン・プレイ動画 ■
作品と併せて発表した、1分間のプレゼンです。
ショートバージョンのプレイ動画です。
フルバージョンのプレイ動画です。
■ あらすじ ■
錯乱して精神病院に入院したゴッホは、幻聴や幻覚に悩まされる日々を過ごしていた。ある雨の夜。廊下から聞こえる幻聴に心を乱し、悪夢の中に囚われてしまう。
ゴッホは悪夢の中で、妖精に導かれながら自身の心の闇と光に向き合うことになる。夢を彷徨う中で閉ざした心の鍵を開き、次第に自信を取り戻して行くのであった。
4. 実装のポイント
■ 3種類のロコモーションシステム ■
没入感の向上とVR酔いの低減を実現するため、3種類のロコモーションシステムを実装しました。
身体の動きに連動して視界が変化するロコモーションシステムは、VR酔いの低減に大きく貢献しました。
ー 腕振り歩行システムとテレポート移動システム ー
Oculus Quest2 スタンドアロンで遊べるバージョンとして、「腕振り歩行システム」を実装しました。その場で歩くように腕を振ることで、VR上の1人称プレイヤーが移動します。
それでも酔ってしまう方や 腕を振る広さが確保できない場合を想定し、いつでも「テレポート移動システム」に切り替えられる機能も併せて実装しました。
ー 足踏み歩行システム ー
PCVR専用バージョンでは、「足踏み歩行システム」を実装しました。その場で足踏みをすることで、VR上の1人称プレイヤーが移動します。
歩行型VRセンサー「KAT locoS 」を使用し、Steam VR プラグイン と KAT VR プラグインをマージすることでロコモーションの制御が実現しました。
今回の実装で得た知見をQiitaに記しておりますので、詳細は下記よりご覧頂けます。
ー【KAT loco S × Oculus Quest2】足踏みで移動するVRの作り方 – Qiita
■ 没入感を重視したインタラクションデザイン ■
一つ一つの操作にサウンドや演出を実装し、没入感を高める工夫をしました。
■ 美しいレベルデザインと立体音響 ■
蓄音機から聞こえるBGM、あちこちで喋るキャラクターたち。
音が聴こえた方につい振り向いてしまうような、自然な視線誘導に力を入れました。
レベルデザインでは霧やボリュームライトやリフレクション等を丁寧に設計し、散策するだけでも楽しめるように制作しました。
5. おわりに
未熟な作品ではございますが、初めて1人で全てを作り切ったことで大きく成長することが出来ました。反省点も多くあり、この経験を活かし より良い次回作を制作したいと思います。次回作も当HPに公開する予定ですので、温かく見守って頂けますと幸いです。
最後まで御覧いただきまして、誠にありがとうございます。
プレイしてくださった皆様・プログラムに命を吹き込んで声優様方に、心より感謝申し上げます。
( 制作者 : 渋谷道子 )